あわよくば干し椎茸
先日の投稿に対して、とても温かいお言葉をいただきました。ありがとうございます。
どうしてアウトライナーについて語ることができないのか、少し考えてみました。
語れない理由1:”当たり前に使っているツールほどうまく言葉にならない。”
倉下さんとのらてつさんがおっしゃってくださったままですね。特に、アウトライナーは(フローチャートがあるような使い方ではなく)なんとなくでも使えるところが好きなツールです。他のツールよりも言語化が難しいと感じます。
語れない理由2:守・破・離でいうと「守」の段階
元の投稿にも少し関係しますが、アウトライナーの使い方で特別、あるいは個人的な工夫はしていません。
アウトライナー歴はだいたい10年くらいでしょうか。その間、Tak.さんをはじめとしたアウトライナーについて発信されている方々の方法を使っていました。
*
それでも"好きなおにぎりの具"について語る
ただ、のらてつさんがここまで書いてくださいました。
多分、有効かどうか、真新しいかどうかなんてことは関係なく、「アウトライナーを使ってこうしています」というのを聞くと楽しくて嬉しいのだと思います。おにぎりの具は何が好きか、なんていうことで割と楽しい会話になったりするのと同じようなものかもしれません。
このお気持ちは私もよく分かります。そして、このように書いてくださったこと自体をとても嬉しく感じました。
なので、何か仮の問題を設定して、その問題に対してアウトライナーをどのように使うか書いてみます。
半乾きの言葉で語られる新規性ではなく、干し椎茸のように十分にうま味が凝縮した常用性。そうしたものに目を向けていきましょう。
「守」の使い方ではありますが、その中で、アウトライナーのここが好き!と思う点を書いていければと思います。
*
*
*
仮の問題設定
ふと横浜市のアジフライの消費量を予測するモデルをつくりたくなったとします。
(晩御飯はアジフライでした。)
アウトライナーで何をするか
何かをはじめるときは、とりあえずアウトライナーに大項目を立てます。そして「この分野ならまずこれは必要だよね」といった観点を子項目にします。
子項目は、過去に似たような経験をしたことがある場合は、それを参考にして書きます。今ならchatGPTに聞いてみても良いかもしれません。とにかく過去の自分なり先人の知見を元にサッと並べていきます。
それぞれの子項目の中身について、思いつくままに埋めていきます。アウトライナーでは、他の子項目に関することを思いついても簡単に移動できるので、どんどん追加していきます。
1つの項目が深くなっても項目の開閉ができるので、気兼ねなく書き散らかすことができるのも良いですよね。
ある程度満足するまで中身を埋めて整理した後は、あらためて項目を閉じたり開いたり、全体を眺めて各項目の階層や場所を動かしたりします。
そうこうしていると、最初に立ち上げた子項目とはあまり関係ないものも立てたくなってきます。
更に眺めていると、そもそもアジフライの消費量を予測したかったのは……などと思いを馳せて(?)いきます。それまでの最上位項目の、更に上位項目を追加するわけです。
考えているテーマの上位項目に自然と意識が向くのもアウトライナーの魅力ですね。
*
ちょっとしたトラブル
それほど大きくないテーマであったり、単純な話であればこれで終わりです。
ですが、大きなテーマ、複雑な問題について考えると、このあたりでちょっとしたトラブルが起きます。
親が異なる項目同士の関係が気になってくるのです。「Aさんに相談」の子項目:hogehogeは、「前処理」の孫項目:fugafugaに関係しているぞ、といった具合です。
最初に設定した「この分野ならまずこれは必要だよね」から大きく構造が変わった場合や、情報構造が複雑な問題を扱う場合は、項目同士の関係性をもっと複雑に表現したくなってきます。
*
文章や口頭発表であれば、シェイクを繰り替えすことで、しっくりくるまでアウトラインを組み替えても良いでしょう。
しかし、今回の事例はなんとなく考えているだけです。今のところ情報を1次元にする必要はありません。
モダンなアウトライナーには、この問題に対処するために(?)、タグやリンク、ミラーといった機能があります。
しかし、これらの機能を使っても、かえって全体の構造が見えにくくなってしまうと、私には感じます。アウトライナーでは、情報を1次元で捉えたい。
*
*
なので、構造が複雑化したときは次のようなことをしています。
手書き
ここまでにつくったアウトラインをいっぱいコピペする
1.手書き
職場でも自宅でも、A4コピー用紙を常備しています。こういう時は、アウトライナーから離れて、情報構造を紙に書いてみます。アウトライナーで考えた内容を元にしているので、なかなかすっきり書けます。また、一度アウトライナーで考えているので、省略して紙に書いても中身が分からなくなるなんてこともありません。
なお、この段階では、Obsidian Canvasのような、情報を視覚的に扱うツールは使いません。手書きやアウトライナーとは違い、考えている速さで情報を扱えないと感じているからです。
(キーボードとマウスを行き来すると邪念が入るというか。もしかしたら私の習熟度の問題なのかもしれません。)
2.アウトラインをいっぱいコピペする
コピペしたアウトラインを観点ごとに組み替えてみます。例えば、時系列で整理したアウトラインや、Aさんを軸に整理したアウトラインなどを作ります。アウトライン自体は1次元ですが、意図的にいくつも作ることで、問題を立体的に捉えられる感覚があります。
*
*
*
おわりに
『すべてはノートからはじまる』を読んでから、書いたものを「残す」ことを意識しています。(遅い)
ですが、
この投稿の事例でいう「手書き」「アウトライン」は、あえてその場限りのものとして書いています。未来の自分が読んでも分かることを意識すると、うまく思考を発散させられない感覚があるからです。
ある程度考えきった後に、仕事であれば成果物、個人的な思索であればちゃんとしたメモとして残せば良い。そのくらいの心持ちがアウトライナーで考えるには、ちょうど良いと感じています。





