先の記事をよんで、To-Beのリストをつくるために、マンダラをつくる必要があると思った人がいるかもしれません。
しかしそのとき(2012年11月)のぼくは、マンダラをつくればそれでいいとは考えませんでした。
その理由はシンプルです。当時のTak.さんは、マンダラの中心に何を置くのか分かっていました。
今の自分にとっては、疑いなくそれは生活のリズムと食生活を立て直して、Tの体調を回復させることだ
でも残念なことに、2012年11月のぼくは、自分の「1日のマンダラ」の中心に何を置きたいと自分が思っているのか、分かっていませんでした。
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で、困ったときのフリーライティング。
今日やることを決める「1日のマンダラ」の中心に何を置きたいのか、自分の気持ちを探すフリーライティングを、毎朝1日10分から1時間繰り返しました。
といっても、どうやってフリーライティングすればそんなものがみつかるのか、ほぼ何も分かりません。
なので、テーマを決めた制限つきフリーライティングみたいなものを考えました。
具体的には、フリーライティングする空間(ぼくの場合は「freewriting at 時刻 on 日付」という項目にフォーカスした画面)のいちばん上に、フリーライティングの大まかな方針というか心がまえのようなセンテンスをかいて、それを何となく意識しながらかくことにしました。
当時のアウトラインをみると、つぎのような名前の項目があります。
日々の小さな目標を考えよう
これをテーマに、フリーライティングをつづけるという作戦を考えたワケです。
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こういう場面で使いたくなる、その頃流行っていたことばとして、「ミッション」がありました。
たとえば「人生のミッションを考える」ことをテーマにしたフリーライティングも、もちろん無駄ではないと思います。
でもそれではTak.さんのマンダラのことばに届かない、という直感がありました。
「人生のミッションを考える」というような、借りてきたことばの下にフリーライティングすると、どうがんばっても今日のぼくの1日から浮いた、リアルじゃないアウトライン、どこかで読んだことのあるアウトラインになることを、何度か経験していたからです。
そこで少し考えて、「日々の小さな目標」ということばをひねり出しました。
「日々の小さな..」といっても、その瞬間にリアルすぎることば、たとえば「あさって締め切りの助成金の申請書を完成させるにはどうすればいいか」といったことばを、かかないようにしました。
代わりに、たとえば1年後や5年後のぼくが、1年後や5年後の「今日」から4日間のしごとを考えるときに役立つことば探しを、何となく意識するように心がけました。
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Tak.さんのマンダラをみて感動してしまっているので、最初はどうしても、似たことばの入ったフリーライティングになります。
たとえば「家族と自分の時間、そして健康をいちばんに考えよう」といった、Tak.さんのことばの焼き直しみたいなもの。
これはこれで仕方ないし、これもぼくの本心。家族と自分の健康を第一にする決断をした、Tak.さんはほんとかっこいい。
そして、このメッセージも自分に大切なのですから、それも大事にしながら先へ進みます。つまり、フリーライティングをつづけます。
すると、あのときは運よく、何日かフリーライティングをつづける中で、自分の心にひっかかる単語や文節やセンテンスがでてきました。
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お、これは、と感じたら、勘ちがいの可能性を恐れずに、文字どおりアウトライナーでフォーカスします。つまり、そのことばを空白のいちばん上に置いたかたちで、またそこからフリーライティングをつづけます。
そしてこの時は、フリーライティングをはじめてたしか1週間か2週間あとに、以下のようなアウトラインをつくることができました。
すごくコッパズカシイ数行は削ってありますが、全体の雰囲気は伝わるのではないかと思います。
使ったアプリは、OmniOutlinerです。画面は今のバージョンですが、アウトラインの中身はほぼ当時のまま。
上のセンテンスほど大切な項目。でも厳密ではありません。場合によってはひっくり返してもいいけど、迷ったときは上のものさしをより大切にする。
このアウトラインを眺めてから、その日の「1日のマンダラ」をつくったり、アウトライナーで「今日をどんな日にしたいか」、段取りを按配します。
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最初は「日々の小さな目標を考える」ことからはじめた、自分のマンダラの中心におくことば探しのためのアウトラインですが、その後、大きく育ちました。
今は「生活のアウトライン my life synopsis」という名前に変わっています。「日々の小さな目標」は、今の生活のアウトラインのひとつの項目として、少し形を変えていますが、立派に生きています。
何かあるとき、やりたいことを選ぶ判断に迷ったときに、このアウトラインを眺め、そうした自分の価値観と対等なものを選ぶように心がけています。
興味深く楽しく読みました。
いつも楽しく読ませてもらっていて、そのことをお伝えしたくコメントをします。
Go Fujitaさんの文章は小気味よく軽快な感じがして読んでいて気持ちいいです。なんというか、文章自体が楽しそうにスキップしている感じがします。アウトライナーを使って書いていることが影響しているのか、ポメラで書く楽しくて(この文章をポメラで書いているのかはわかりませんが)その楽しさが伝わっているからなのかわからないですが、毎回楽しく読ませてもらっています。
> [先の記事](https://tunnellingchannel.substack.com/p/gtd-4)をよんで、To-Beのリストをつくるために、マンダラをつくる必要があると思った人がいるかもしれません。
試しにマンダラを書いてみていたのでギクっとしました。
> 「人生のミッションを考える」というような、借りてきたことばの下にフリーライティングすると、どうがんばっても今日のぼくの1日から浮いた、リアルじゃないアウトライン、どこかで読んだことのあるアウトラインになることを、何度か経験していたからです。
借りてきたことばという感覚はよくわかると思いました。
私にとってもミッションという言葉は大きすぎて扱いきれない感覚があります。言葉以外にも私の場合は、立派なことをやろうとするとたいてい失敗することが経験的にわかってきました。
> Tak.さんのマンダラをみて感動してしまっているので、最初はどうしても、似たことばの入ったフリーライティングになります。
最初はこうなってしまうのは仕方ない精神で、私にとってTo-Beリストになるものを作りたいなんてことを思いました。