以下の記事を読みました。
むかしから「三上」でアイデアを思いつきやすいとよく言われます。
まず、以下の脳の特徴を踏まえましょう。
ポイント1:脳は情報に反応を返す器官
ポイント2:脳は先読み(シミュレーション)を走らせている
脳は生物の器官の一つであり、生命を維持するための役割を担っています。で、外部の状況に合わせていろいろ変化を生む(あるいは変化することによって既存の系を維持する)役割になっています。
だから基本的に外部の情報に反応することが脳の役割で、逆に言えば脳を動かしたかったら新しい刺激として新しい情報を入れる必要があります。
ただ、この見方だけだと単純にinput/outputを行う機械となってしまうわけですが、実際は脳は予想をしています。「こういう状況だからこうだろう」と先読みをしているのです。そうすれば、ありとあらゆる状況に備える必要がなくなり、より高速に対処できるようになるわけです。ある種の最適化。
ここで「アイデア」を必要としている場面について考えてみましょう。何かしらの状況があり、不都合が生じているが、それが解決できていない。一般的にこれがアイデアが必要だと感じる状態だと思います。
そうしたとき、脳は目の前の状況から新しい刺激を得られなくなっていると考えられます。「こうだろう」という予想が固定化してしまい、新しい出力を埋めなくなっている状態です。
だからいったん、ズラすのです。
たとえば場所を変える。たとえば行為を変える。たとえば媒体を変える。
そうすることで、脳が構築していた「こうだろう」が薄れ、状況に対して新しい風を吹き入れることができるようになります。言い換えれば、「文脈」を変えるのです。
よく「発想法」として呼ばれる具体的な手法は、なかば強制的にその「文脈」を動かすことが意図されています。ポイントはそうした意図について斜に構えることなく、ノッてみることです。そのノリが、自分の「こうだろう」という構築物を壊してくれるのです。
まとめると二つのことが言えます。
いろいろな思いつきは、情報という刺激を入れることから生まれる
アイデアを必要としている状況になったら、一旦その状況から動かなければならない
後者をとりあえず「アイデア移動法」とか「トランジッション発想法」などと呼んでおくことにしましょう。