以下の記事を読みました。
恣意的な分類の際にナンバリングを用いることが、情報に意味付け(保存)するときや情報を探すときに役立つ、要するに、ナンバリングによって生まれる「場所」や「順番」の感覚が、情報のように直接触れられないものを扱う際の強力なサポートになるという話だったと思います。実際、個人で行う情報整理では恣意的な分類(ナンバリング)は記憶を補助するものとしていい感じで働いてくれています。
コメントで指摘のあった分類で起こりうるコウモリ問題については、もちろんその可能性はあるけれど、MECEのような分類をしようとせず個人の範囲で分類するのであれば意外と困らなそうな感覚はあるし、デジタルノートツールであればフォルダ(一つのものを一つの場所に置く)ではなくインデックス的(一つのものを複数の場所に置ける)に扱う工夫もできるのでなんとかなるのかもなんてことを考えました。
さて、今回は恣意的な分類(ナンバリング)とオブジェクトという2つの軸でいうところの、恣意的な分類(ナンバリング)ではなく、オブジェクトの方について私が考えていることを書いてみたいと思います。
オブジェクトという言葉の正しい意味や用法とは違うのかもしれませんが、私がオブジェクトから得たヒントは、扱う対象によって望ましい見せ方が異なるということです。言い換えると、扱いたい情報によって、見やすい形式は変わってくると言ってもいいかもしれません。
時計を例に説明してみたいと思います。私は時計の表示はデジタル形式が好みです。人によってはアナログ形式が好みかもしれません。どちらを選んでもいいですが、ここでのポイントは、私という個人は「時計」というオブジェクトであれば「デジタル」という見せ方(形式)が扱いやすいということです。
他にも本(オブジェクト)であれば書影が一覧できる見せ方(形式)が好みですし、ウェブクリップであればテーブル形式が好みです。このように扱う対象によって好ましい形式が対応していることが多いのだと思います。Capacitiesは、オブジェクトと形式の関係が多くの人の間である程度共通しているだろうということで、いくつかのオブジェクトについてはツール側があらかじめ形式を用意しているという風に考えることができると思います。
さらに大事なのは、オブジェクトに対する形式を一つに限る必要はないし、デジタルツールであれば一つのオブジェクトに対して複数の形式を対応させることが実現しやすいということです。たとえば先ほど時計の話であれば、Apple Watchを使えばデジタルとアナログの形式を同時に表示することもできます。つまり、デジタル、アナログのどちらにも良いところがあるのだから、両方表示させてしまえという発想が可能なわけです。
これは時計の話に限ったことではありません。Notionで本の情報を管理していますが、実際には書影が並ぶ形式、リストの形式、テーブルの形式のいずれも表示できるように設定しています。その中で、書影が並ぶ形式が一番好みだという話です。
他にもプロジェクトノートであれば、一番上にはプロジェクトの概要を箇条書き形式で表示させ、その下にはタスクをカンバン形式で表示させ、さらにその下には日付を表形式で表示させ、一番下にはログを表形式で表示させています。
これをやりやすくするためには、オブジェクトを保存する際に必須の要素を一緒に保存しておくと便利になると思います。それさえしておけば、オブジェクトの見せ方(形式)にはいくらでも工夫の余地が生まれてくるはずですし、必須の要素がわからなかったとしても使う中でそのうち見えてくるはずです。
前回と今回で書いてきたことは、要するに、①どこに、②何を、③どのように保存するかの話です。③どのように保存するかは②何をを保存するかに大いに影響を受けていて、ある程度は共通しているけれど究極的には好みなので、それを実現するようなデジタルツールを選べるといいですねというのがひとまずの結論です。