なぜ今Obsidian Canvasなのか
Obsidianの最近のニュースと言えば生成AIとの連携やBase機能ですが、今回私が取り上げるのはObsidian Canvas機能についてです。
Obsidian Canvasはカードやノートを空間的に配置できることを売りにしているObsidian公式のプラグインです。
リリース当時に多少触ってみたものの、操作に慣れが必要だったり、空間で配置できることにそれほど良さを感じていなかったため、これまで積極的に使用することはありませんでした。
改めてObsidian Canvasを使おうと思った直接のきっかけはナレッジスタックのオンラインオフ会でした。そこに参加されていた希流ハヤさんがObsidian Canvasの使用方法を紹介しており、その使い方に興味を持ちました。
https://www.kiryu-haya.site/?p=130
https://www.kiryu-haya.site/?p=180
それからすぐにObsidian Canvasをバリバリ使うようになったわけではなく、使ってみようと思いながらもきっかけを掴めずにいたのですが、8月の初めごろに思い立って使い始めました。
間接的なきっかけとしては、デジタルノートを使いながら知的生産的な活動をする中で、ZettelkastenやRINKといったナンバリングで情報を「位置づける」ことに関心があったことがあります。
それと、Workflowyのダッシュボードビューを使ったこともきっかけの一つです。通常のデジタルノートだと基本的には縦に並べるしかできないですが、横にも並べるとか、あるノートを別の場所に横に移動できる操作をWorkflowyで試した結果、Obsidian Canvasでも試してみたい気持ちになりました。
Obsidian Canvasの使い方や特徴については、先ほど挙げた希流ハヤさんとぷーおんさんの記事(https://pouhon.net/obsidian-canvas-hold/7670/)を参考にしました。希流ハヤさんはStream Deckを使った使い方をブログやnoteに記事を書いており、元々Stream Deckに興味があったためAmazonプライムデーでセールになっていたタイミングで購入しました。今回は掘り下げませんが、Stream Deckというガジェットについてもいずれ書きたいですね。必須ではないけどあるとないとでは結構違うという興味深いガジェットだと思います。
ぷーおんさんはObsidian Canvasのリリース当初に「Obisdian Canvasの良さは保留である」という主旨で書かれていて、使ってみるとその通りだと感じました。Obsidian Canvasのツールとしての特徴を捉えていました(すごい)。
Obsidian Canvasは気軽に作る
デジタルノートツールを使うときに気になるのが、どのタイミングで新しいノートを作成するかです。デジタルノートは基本的に無限に新しいノートを作ることが出来ますが、あまりたくさんノートを作りすぎると使いづらくなるのでノートを作ることを躊躇することがあります。
その対処方法としてデイリーノート方式があったり、CosenceのようなUIや検索の優秀さによるノートが増えすぎても大丈夫な設計があると思います。私も長らくデイリーノート方式を採用していて、そこには好きなように書くことにしていて、書いたものの中から今後も必要になりそうであれば新しいページとしてノート化する使い方をしてきました。そうすることで、ノートが増えすぎないようにしているわけです。
デイリーノートは、新しいノートを作りすぎないための一つの解決策なわけですが、Obisidian Canvasも別の解決策のように感じています。Canvasは特殊なファイルなので、Canvas=一時的なノートという認識が自分の中であるため、増えてもそれほど嫌な感じがしません。だから、とりあえずCanvasを作る、そこに色々と集めてみて判断するという使い方ができています。
とりあえずCanvasを作る使い方をするために、新しくCanvasを作りやすいようにしました。具体的には、Stream Deckで「新規Canvasを作成する」というボタンを作りました。これを押せば自動的に新たなCanvasページが作成されます。ショートカットキーを設定すればこんなことをしなくてもいいのですが、ショートカットキーが手に馴染むまでは視覚的に押せるボタンがあると助かります(Stream Deckの良いところのひとつはここですね)。
作成したCanvasに思いついたことを書いたり、Webリンクを貼り付けたり(CanvasではWebリンクを貼り付けるだけでWebページが表示される)、関連しそうな既存のノートを集めたりします。ちなみに、検索した既存ノートをドラッグ&ドロップでもCanvasに貼り付けられるのはWorkflowyのダッシュボードの使い方に似ています。
そうして作成したCanvasはRINKという自分のデジタルノート内のインデックス(RINKの使い方についてもそのうち書きたいです)に位置づける、あるいはそのまま放置する、といった使い方をしています(放置してもあまり邪魔にならないと感じる)。
明確でなくてもなんとなく考えたいことがあると思い立ったらCanvasを作成する、そこに思いつくまま情報を集めてくる、そこで線を引いたり囲んだりして整理する(関係を明確にする)といった使い方です。
普段の生活の中で言うと、A4のコピー用紙の使い方に似ていると思いました。決して頻度が多いわけではないのですが、考えがまとまらないときやモヤモヤしたときにA4のコピー用紙を横にして書きなぐるという使い方をします。印刷ミスしたコピー用紙の裏側を使っているので、もったいないという気持ちが生じにくく気軽に雑に書くことができます(印刷ミス自体はもったいないという話もありますが)。
ありうは、こう問いましょう。あなたはデジタルツールで「雑に」書ける場所を持っていますか?
最近の私のObsidian Canvasの使い方は、A4のコピー用紙を取り出して書く行為に似ている気がします。Stream Deckでワンタッチで作成できるようにしたことも影響してそうです(ちょっとした身体作業が入っている)。
Obsidian Canvasはきれいに整理するためのツールではなく、むしろ雑に置いてみてから考えられるツールだと思います(あとからきれいに整理されることがある)。あとから必要ならノート化できるし、そのまま放置しても構わない。この「雑さを許容できる」ところがCanvasに感じる可能性の一つになっています。