ひねり出されたIDBシステム
もしかしたら、一連の投稿を読んで「そういうのは面白いかもしれないけども、何の役に立つの?」とシニカルに構える方もいらっしゃるかもしれません。そこで実践編です。
IDBシステムというのを考えました。Workflowy運用のフレームワークです。
https://scrapbox.io/rashitamemo/IDB%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0
理屈は簡単です。よく使う項目を最上位ではなく、何かしら(例ではDrawer)の項目にしまっておくのです。
で、朝のうちにその項目から必要な項目を(アンインデント)して引き出します。一日の最初にまとめて引き出してもいいですし、適宜使用に合わせて引き出しても構いません。とにかくHome直下(最上位項目)に引っぱり上げるのです。
で、使い終えたり、一日の最後にそれらの項目をDrawerに戻します。操作は説明不要でしょうが、ようはインデントすればいいだけです。それだけでしゅっと格納されます(上から順番にやっていく必要がありますが)。もちろん、マウスで操作してもいいでしょう。
ポイントは、「その日のうちに戻すこと」です。そうしておけば、次の日に開いたら「昨日の構造」は消えてなくなっています。それは随意の操作の結果なので、自動的ではないのですが、「今日の自分」からすれば自動的なようなものです。なにせ「昨日の自分」がやってくれていることなのですから。
ようするにこれは、リアルな世界の「机の上」と「書類受け」と同じなわけです。使うときに出して、使い終わったら戻す。そういう形をWorkflowyに持ち込んだ格好ですが、その理論的基盤は、ここまでの議論(?)で見出されてきた要素にあります。
いかに目に入らないようにするか。それも「今日の自分」が目に入らないようにするか。
それを念頭にひねり出されたフレームワーク(あるいはメソッド)なわけです。
もちろん、このやり方が絶対にうまくいくと主張したいわけではありません。議論を通すことで見出された要素があれば、それをベースに「方法を仮説する」ことができる、という点が重要なのです。
がむしゃらに手を動かし続けても、「あたり」が引ける可能性はかなり小さいでしょう。なにせ方法の可能性は無限に近く存在するのですから。一方で「こうではないか」という仮説を持って方法を作れば、その探索範囲をずいぶんと狭めることができます。うまくいけばうまくいったでいいし、いかなければまた新たな材料が手に入るので、それをベースにさらなる仮説的方法を構築すればいい。そんな感じで進んでいけるようになります。
ノウハウやメソッドにおいては、実践することがたしかに大切です。避けて通ることはできません。一方で、実践だけすればいいというものでもないでしょう。実践の結果から何かを考えること。できれば、複数の結果から何か共通的に言えることを探すこと。それがかなり大切で、ここ最近のやり取りはその「考える」ことの射程をずいぶんと広げてくれたと思います。