プロジェクトと心がけ
以下の投稿を読みました。
重要な指摘があります。
達成しないものなので、「すること」を扱う領域に組み込むと永久に未達のまま居残ることになります。「直す」ではない対処をするにしても、動詞の種類としては「気をつけ続ける」ということになり、それはやはり達成とは無縁のものです。
多くのタスク管理手法において、プロジェクトが「終わりがあるもの/達成できるもの」と定義づけられているのはこれが一番の理由でしょう。終わりがないものをプロジェクトとして扱ってしまうと、達成できないので永遠に残り続けるのです。
それは私の観点から言えば「コントロール感」を損耗することになります。望ましくはない結果です。
では、どうするか。一つは時限式に変換することです。
たとえば「今月は弱点克服のために○○をやる」と決める。そのようにしておけば、結果の成否はともかくとして確実に「終わり」がやってきます。処理して前に進むことができる。有益なアプローチでしょう。
(こうした時限式の変換を、以降は「時限化」という名前で表すことにします)
もう一つの方法は、これを「心がけ」として扱うことです。言い方は別でも構いません。「指針」でも「方針」でも「気をつけたいこと」でも気持ちにフィットする表現が選択できます。なんにせよ、「終わりを持たない、実際の行動の方向性を示すもの」として扱うわけです。
困るのは、GTD的情報整理においてそうしたものの行き場が見つからないことです。あの有名なフローチャートを思い出してください。あの中で「心がけ」はどこに位置するでしょうか。
案外この問題は現代的な情報整理理論(おおげさ)において、うまく解決されていないように感じます。
一つの方策として、Ankiの間隔反復学習を用いるアプローチがありますが、「心がけ」は単に覚えたいわけではなく、むしろその心がけが行動に反映することを願っている節があります。覚えること役立たないわけではありませんが、それだけで十全とは言いがたいでしょう。
今回この問題を解決するつもりはありませんが、とりあえず「心がけ」をどう扱うのかは、”セルフマネジメント”(とりあえずそう呼ばせてください)において非常に重要なポイントになってくることは間違いないでしょう。
もう一つ「検証されるべき情報を適切に記録していく」ことについても書きたいことがあるのですが、それはまた別の投稿で改めて書くことにしましょう。