語彙を増やすにはどうしたらいいか、というのは面白い問題提起ですね。私もちょっと考えてみたいところ。
語彙は、単純に考えれば当人の頭の中に入っている言葉の集合ということで、じゃあ新しい言葉をじゃんじゃん覚えればいいんじゃね、となるわけですが、そうは問屋が卸さないのは上の記事でも指摘されている通りです。
ただ単純に言葉を丸暗記しても、使える知識にはならないので、必要なときに必要なだけ辞書で調べるということを地道にやっていくほかなさそうだ。
何かを言い表そうとしたときに、その言葉がぱっと思いつく(あるいは口をつく)という状態になってこそ「語彙」なわけですから、暗記に意味はありません。とは言え、知らないと使うことも叶わないので、まず知ることは大切でしょう。
すると気になった言葉はどんどん辞書で引くのがよい、というのは言えそうです。「気になる」というのは、他の誰かが使っていた言葉であり、すでに文や文脈が提示されているわけですから、その文脈を踏まえた上で辞書を引く。意味の理解を深める。
そうした理解は、当初は単純な加算に思えるでしょうが、実際は差異を構成しています。つまり、「物静か」という言葉と「静か」という言葉の意味の違いに敏感になる、ということです。言い換えれば、その微妙なニュアンスの違いを、言葉の違いによって構成できるようになるとき、「語彙が増えた」と言えるのでしょう。
自分の狭い世界に閉じこもっていると、語彙がぜんぜん増えていかないのはこのためです。自分が言い表せる世界だけに閉じこもっていたら、新しい言葉の必要性など出てきません。新しい言葉に出会わないだけでなく、新しい言葉を使わなくていいような環境に身を置いてしまっているのです。
その意味で、やはり「外に」出ることが必要でしょう。物理的な「外」でも、分野的な「外」でもいいのですが、そうした違う場所に出て行くことで、逆にそれまで自分が使っていた言葉の意味が鮮明化していきます。
といことをつらつら考えた上で、リスト形式でまとめるなら、
辞書を引く(ないしは無目的に読む)
自分が読んでいる言葉に敏感になる
自分の専門分野以外のものにも触れる
あたりが列挙できるでしょうか。どうでしょう。他にもなにかありますかね。