過去のリスト、未来のリスト、そして……
今年の振り返りをするためにいくつかリストを作りました。たとえば以下がその一つ。
確定申告と同じで毎回更新するたびにリストを更新していればラクチンなのですが結局年末にまとめて作りました。なんと手動です。
で、こうして作ったリストは完全に「過去のリスト」です。こうして作られても、そこから何かが動き出すわけではありません。新しく追加されることもなければ、チェックリストのように内容が使われるわけでもありません。単に「ああ、自分はこういう記事を書いてきたんだ」ということを振り返るためだけのリストです。アルバム的な存在。
一方で、「よし、これからこれをしよう」とか「このプロジェクトを進めるために必要な行動をリストアップしよう」みたいなリストは「未来のリスト」と言えるでしょう。こちらは作成してからその内容が使用されることになります。もっと言えば、そのリストと並走していくことになります。タスク管理の文脈で非常に重要なリストです。
このように同じリストと言っても、「未来」と「過去」の二つの方向性を持つことがわかります。でもって、その二つがあるなら「現在のリスト」についても考えたくなりますね。
で、たとえばGTDとかで最初に気になっていることを書き出す、というのがありますがあれが「現在のリスト」作りだと言えるでしょう。今の自分の心にあることを洗い出す、ある種の棚卸し的なリストです。こうしたリストは、一見「未来のリスト」と混同されるかもしれません。なにせ、そうやって洗い出して、そこから行動に移していくわけですから。
でも、その二つってやっぱり違います。GTDの洗い出しでやっていることは「自分が今気になっていること」の書き出しであり、その中にたまたま未来の事柄が含まれていることもある、という感触なのです。逆に言えば、未来以外のことも含まれていたっておかしくありません。一方で、プロジェクトで次に何をしようかと考え、配置するとき、その視座は確実に「未来」を向いています。
この切り分けが存外に大切なのではないでしょうか。GTDで洗い出したものは行為として実行するコミットメントは持ちません。一方でプロジェクトの行為として書き出したものはコミットメントを要求します。前者は、それが何であれ気になることをただ書き出せばいいだけであり、そこから「じゃあどうするか」を考えるのは次のステップです。
タスク管理の基本は「行為と判断」を切り離すことにありますが、この「洗い出しと判断」を切り離すこともきっと大切で、しかもできている人はごく当たり前にやっていることで、あんまり言語化されていないのではないかと思い、今回この投稿を書いてみました。
さて、皆さんはどうでしょうか。