のらてつさんのツール作成日誌の感想
のらてつさんの、ツール製作日誌のいちばん新しい記事、ゆっくりよみました。その感想を少し。
ぼくには、裏のコードの詳細は分かりませんが、目に見えるデザインとその意図が、のらてつさんらしい、ていねいで控えめ、でも分かりやすくて強い意志を感じる文章でかかれているように感じました。
もしかすると、のらてつさんは速くかける人なのかもしれませんが、こうした細かいところまで気もちの届いた、よむ人のことへの気もちが伝わってくるような文章をかくには、少なからず時間と労力がかかったのではないかと、勝手に想像しています。
速く書くことそのものではなく、よむ人のためのことにもしっかり時間をとっている、という誠意を感じる文章と思いました。
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まず、記事最初の画面をみて、よく整理された構造をもつシステムのように感じました。
左の「トピックリスト」には、自分の日々の生活をとおしてやりたいこと、その元になるアイディア、そして他の人との約束などが、みる人の心を安心させるような(少なくともぼくはそう感じました)、アウトラインとして表示されています。
そして中央上から右上に置かれたスケジュールのフレームワーク。のらてつさんにとって大事と感じられる、時間の階層構造が明示的に反映されているのかなと感じました。
今日があり、次にこの4日間と1週間があり、それから来週以降。そのスケジュールのすぐ下に約束のコーナーがあるのも、いいですよね。他の人にうっかりミスで迷惑をかける可能性がぐっと小さくなる気がします。
で、その下には、自分の状況の流れごとにまとめられた、やりたいことや、やるべきことが、カード状に配置されたスペースが広めに確保されている。
そして、目標日と締め切り日といった、自分にとって意味のちがいを文字の色で示しているところもミソでしょうか。
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3つ目の図、最初の図の画面に表示されるデータを入力したり編集したりする画面、いいですよね。
1990年代にデータベース用のソフトウェアを渡り歩いたおっさんとしては、「dBASE」という、当時高価で高機能だったデータベースを思い出しました。
実際にさわっていないので、勘ちがいしている可能性も大きいと思いますが、蓄えるデータ構造をしっかりデザインしたツールが生み出す安定感や安心感を覚えました。
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つぎに、ぼくだったら少しちがうデザインにするかな、と適当に考えたところもかいてみます。
これはもちろん、良い悪いという評価ではなく、あくまでもぼく個人にとって、もう少し削ったり、加えたりしたいなと思うデザインや機能です。こうした個人の意見の中にも、多くの人のツールづくりに役立つものがあるかもしれないと思い、かいています。
ふたつあります。
まず、飽きっぽいぼくの場合、これくらい凝ったつくりだと、いくらシステム自体がすばらしくても飽きてしまうことが多い、という経験があります。なので、もう少しシンプルにしたいな、と感じました。
もうひとつは、ログを残すための機能です。このツールは、しっかりログを残すことを目指してつくられているように思いました。
一方、ぼくは「宵越しのログをもたない」主義で生活しています (笑)。おっさんになるまでの長い人生で、ログを見直すことはほとんどありませんでした。だから、こうしたログをとっておく機能は、たぶん使わないかな、と考えました。
繰り返しになりますが、これは、飽きっぽくて「宵越しのログをもたない」派のおっさんである、ぼく個人からみた感想です。
のらてつさんは、自分に合った〈カタチ〉でこのツールをつくったのですから、これくらい凝ったつくりでものらてつさんには飽きがこない、という点が、ぼくにとって興味深い点でもありますし、ログを分かりやすく残す仕掛けをうまく考えられているところが、やっぱりすごいなとも思っています。
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最後に、大きめの感想をかいておきます。これもふたつあります。
ひとつは、こうして分かりやすい〈カタチ〉で、具体的に示してくださったことで、見かけは大きくちがうタスク管理をしているぼくからみても、大切と思う共通部分を実感できて、うれしかった。
たとえば、スケジュールのフレームワークとして、今日1日と今日を含む4日間という見取り図がつくられている。
あるいは、その直下に、他の人との約束に関係する項目の見取り図も配置されている。
ぼくは、これらの枠組みを設定することで、自分なりのタスク管理のやり方に手応えを感じられるようになりました。
もうひとつは、こうやって自分のツールをつくる具体的な手順というか、やり方のデザインのようなものやり方を、自分なりに具体的に描ける手掛かりを手にできたこと。オプションがひとつ増えた感覚があります。
たとえば、最初の画面をみると、たぶんCSS(とhtml)などで画面の枠組みの配置を決めて、そこに特定のデータをJavaScript(やTypeScript)などもつかって表示させる。
データ編集画面も別につくり、たとえばJSONなど形式でかかれたデータのファイルをつくり、新規作成や更新していく。
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ぼくのようなナマケモノでも、のらてつさんが実際にツールをつくりながら体験し、学ばれたことの1万分の1くらい、疑似体験できたような、得したような気分になりました。
そのお礼もかねて、勇気をだして、具体的な感想をかいてみました。
もし、勘ちがいなどあったら、どうか遠慮なく指摘してください。自分の感想はぜんぜんちがうぜよ!というご意見も楽しみにしています。