知能と知性の違い
『「頭がいい」とはどういうことか』(毛内拡)を読んでいたら、知能と知性の違いについて言及されていました。
「知能」とは答えのあることに素早く答えを出す能力のことであり、「知性」とは答えがないことに答えを出そうとする営みそのものであると私は考えています。
面白いのは、二つが同じ属性ではないことです。「知能」は能力であり、「知性」は営みそのものである、と。この二つは明らかに異質です。
別の視点で言えば、「知能がある」という表現と「知性がある」という表現が意味するところが違っていることになります。
「知性」が営みそのものであるということは、それが現象であるという主張に置き換えられます。持続し、維持されるもの。
もちろん、「答えがないことに答えを出そうとする」営みを支えるための能力は別途必要です。その意味で、能力という観点が不在なわけではありません。しかし、ただ能力が(つまり、潜在的にそれを為すスペックが)あることが「知性」ではない、という視点はぜひとも検討してみたいところです。
知性とは現象である。つまり、ある方向に向かうベクトルを伴うものである。
↓
知性とは動きである。
そんな風にも言えるかもしれません。