名無しのノートと美的感覚
以下のツイートを頂きました。うちあわせCast第108回への感想です。
このコメントを読んで、「そうだ。Evernoteの良さはそこにもあった」と思い出しました。Evernoteではノートの名前をつけなくてもいいのです。
ポッドキャストの中でも語りましたが、Evernoteで「新規ノート」を作成するのはすごく簡単です。command + n とかを押せば、すぐにノートが作成され、入力し始めることができます。
これがテキストエディタだった場合は、ファイルを保存する「場所」を決めるだけでなく、その「名前」もつけなければなりません。これが地味に不便なのです。特に、ごくごく短いメモなどを保存するときに、どういう名前をつけたらいいのか悩むことになります。
この点、テキストファイルベースでも、日付+タイムスタンプなどを使うことでユーザーによるファイルのネーミングを回避できるツール(というかシステム)はあります。おそらく、そういうシステムを使っている場合ならば、Evernoteと同じような手軽さが得られるでしょう。
しかし、そういうシステムを使わないと手身近なメモは扱いにくいのです。
その意味で、Wordのようなコテコテなファイルシステムに慣れていた人間にとって、ファイル名やフォルダ位置といったことを気にせずに、「まずメモできる」(≒ノートをとれる)という点が、Evernoteが便利だった点であるように思います。
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Scrapboxであれば、ページのタイトルによってリンクを作るので、それっぽい名前をつけておく必要がありますし、同名のページは存在できないので、_2とか_3みたいなページが生まれるのですが、EvernoteでのノートリンクはIDによって管理されているので、Untitledなノートがいくらあっても困りません。
ノートを検索するときに、ノートタイトル以外の要素を活用するなら、タイトルは空白なりUntitledでもまったく問題ないわけです。
にも関わらず、ツイートでは「全てのノートにタイトルを付けないといけない」となっています。この点が、非常に興味深いところです。
おそらくプログラマなど、コンピュータをよく触っている人ほどこうした感覚になるのではないでしょうか。別段Evernotでは「すべてのノートに名前を付けてください」と言っているわけではありません。しかし、Evernoteのノートには「タイトル爛」があります。そうなると、タイトルをつけなければならない気持ちになってくるのです。
これはかなり抽象的に言えば「美的感覚」の問題でしょう。タイトルがついていないと気持ち悪い感じがするのです。
この「美的感覚」が、情報ツールを使っていく上でうまく働くこともあれば、そうでないこともある。自分自身の失敗から言っても、そういうことが言えそうな気がします。



