など、最近の投稿を読み考えたことを書きます。
倉下さんの投稿において、以下のように書かれていました。
ここでいう「自由に使う」とは、概ね好き勝手にやるということよりは、「自分の使いやすいように使う」くらいの意味合いでしょう。ツールが規定する方向があるにせよ、そうではない自分の手に馴染む使い方があるならば、そちらを選択することができる、くらいが意味されています。
この部分では、「方向性は示すが、それ以外の使い方も選択可能という意味での自由」について書かれていました。
これを読み、まず思いついたのがデイリーシステムです。
ここでいうデイリーシステムは、1日を1つの単位として行動や情報を管理するシステムのことです。ツールでいうと、Logseq、RemNote、Taskchuteなどです。アナログツールでいうと、ほぼ日手帳はデイリーシステムでしょう。ツールに限らず、バレットジャーナルのように自分で日付を記入していくのもデイリーシステムでしょう。さらに、より大きな視点から言えば、そもそも人間はデイリーシステムを利用して生活をしています。
デイリーシステムは、1日という単位は与えるが、それ以外は好きにしてくださいという感じがあります。1日という単位については有無を言わさず採用させるが、何をするかは選べるという点が倉下さんが言うところの「自由に使う」に近いと感じました。
デイリーシステムは「定期的なリセット」が組み込まれている
デイリーシステムに自由さを感じるのは「定期的なリセット」が組み込まれているからではないかと考えました。デイリーシステムでは、前日がどんな日であろうと、今日になったら必ずリセットされます。私はLogseqを使っているのですが、起動したら今日というページが自動的に作成され、有無を言わさず1日の単位を使わされます。
ところで、私は人見知りだと自認しています。ですが、私は初対面の人とは割りと話すことができるということも自認しています。つまり、初対面は大丈夫だけど、2回目以降に人見知りを発揮するタイプです(これが果たして人見知りなのかどうかの問題は置いておきます)。
2回目に会う人とのコミュニケーションは急に難しくなります。初対面では自由に振る舞えていたのに、2回会うような継続的に会う可能性が高くなった人に対しては自由に振る舞えなくなります。
初対面で会う人はその後会わない可能性が高い、つまり、関係が続かないと心のどこかで感じていて、どうせ関係はリセットされると考えるから自由に振る舞えるのかもしれません。2回以上会う人は関係が続くだろうと思い、色々と考えて自由に振る舞えなくなるのだと思います。
デイリーシステムと人見知りの話に共通するのは「リセットされる」かどうかで、リセットされる場合には自由に振る舞えるのではないかということを思いました。
アウトライナーにも自由さを感じる
デイリーシステムだけが自由さに繋がるとは思いません。自由さを感じるのは、おそらく他にもあるはずだと思いました。パッと思いついたのはアウトライナーです。
アウトライナーといえば、入れ替えやすさが特徴的です。入れ替えやすさは自由にとって重要です。入れ替えるのは、それまでの形をリセットすることだからです。
もう1つ、折りたたみの仕組みは自由にとって重要だと思いました。ただし、こちらはリセットとは違う気がしました。おそらく、折りたたむことで見えなくなるからではないかと思いました。折りたたむと、データとしてはあるけれど見えなくなる。この感覚が自由さに繋がるのではないかと思いました。
デイリーシステムとアウトライナーの共通点
これらの共通点は何かを考えてみましたが、結局、ある/なしではなく、見える/見えないが大事なのかもしれません。デイリーシステムでは昨日以降のデータや記録としてはあります。けれど、今日しか見えません。アウトライナーも折りたたんだ先の階層にはデータはあります。けれど、折りたたむと見えなくなります。
さらに、デイリーシステムとアウトライナーのどちらかではなく、組み合わさっていることが重要かもしれません。どちらかだと私にとっては足りない感じがします。
かつて私はたすくまを使っていました。デイリーシステムの代表例のTaskchuteです。ですが、自由さより、窮屈さを感じていました。その後、Logseqを使うようになりましたが、実はやっていることはあまり変わっていません。にもかかわらず、窮屈さを感じなくなったのは、デイリーシステムに加え、入れ替えが容易なアウトライナー機能があるLogseqの方が合っていたのだと思います。
また、Workflowyも私はうまく使うことができていません。ツールの思想としてはもっとも自由に近いツールだと思います。にもかかわらず、使っていると窮屈さを感じます。不思議です。
workflowyの場合、並べ方が自由だからこそ、過去の自分の並べたものに縛られる気がしてしまいます。もちろん、自分で操作をして見えなくすれば回避できることはわかっています。しかし、「自分で」操作しなければいけないところが窮屈さに繋がっているのだと思います。この点、Logseqは日付が変わると強制的に見えなくしてくれるので、そちらの方が自分には合っていたのだと思います。
その他に自由を感じるもの
デイリーシステムとアウトライナーだけが自由さを担保するものだと言いたいわけではありません。そうではなく、その根底にある「定期的なリセット」と「見えなくすること」が自由さに繋がるかもしれないという話です。
実際のところ、デイリーシステムやアウトライナーではないScrapboxには自由さを感じます。デイリーシステムとアウトライナーとは違う形で、定期的なリセットと見えなくすることは含まれている気がします。
また、最近はDraftsで考えごとを書くようにしているのですが、これも自由さを感じます。起動すると新規画面になったり、過去のメモが邪魔にならない位置に並ぶなど、これも定期的なリセットと見えなくすることは含まれている気がします。
以上、思いつきで突っ走った荒い考えではありますが、「自由に使う」について考えてみました。