こだわりとこだわりでないもの、こだわるべきでないもの
知的好奇心向上委員会コミュニティでキーボード入力関連の話題が出ていました。自分もツイートしましたが、色々な人の色々な工夫があっておもしろいですね。
設定をまとめたもの→キーボードの設定 - 公開練習場
こだわり
その中でわかったのは、私のこだわりはカーソル移動にあるということです。私はメインでMacを使っていますが、MacはEmacsというテキストエディタ(?)のキー入力設定がデフォルトで組み込まれています。Ctrlキーを組み合わせるとカーソルの移動や文字の削除が簡単にできます。例えば、Ctrl+Bは左に移動、Ctrl+Fは右に移動、Ctrl+Aを押すと先頭に移動できたり、Ctrl+Dを押すとDelete、Ctrl+Hを押すとBackspaceになったりします。
使い始めたきっかけは、BackspaceキーやDeleteキーは使用頻度が多いにもかかわらず遠くて押しづらいということだった気がします。見過ごせない不便さを感じていたのだと思います。その後、ホームポジションからほとんど手を動かさずに矢印キーを使えることに感動し、「絶対こっちの方が便利!」だと思いました。
かつてMacのWordではこれが使えなくて、Webで調べて、わからないなりに時間をかけて設定をして使えるようにしました。Windowsを本格的に使わなければいけなかったときもAutoHotkeyというソフトを使って、その機能を使えるようにしました。キーボード入力へのこだわりを1つ挙げるならば、どうやらここにあるようです。
こだわりでないもの
一方で、人から見たら十分こだわっているように見えるだろうけれど、実はそれほどこだわっていないものがあります。それは使用するキーボードです。
私はHHKBという一般的には高級と言われるキーボードを使っています。気に入っているし、もし壊れるようなことがあったら新しいものを買うだろうといった気持ちはありますが、実はそれほどこだわりはありません。そんな高いキーボードを使っておいて贅沢だと思うかもしれないですが、こだわっているわけではないのです。いいキーボードを使いたいこだわりはあるけれど、その種類にこだわりはないという感じです。
好きだし気に入っているけれど、HHKB自体へのこだわりはなく、HHKBなら失敗しないだろうくらいの気持ちしかありません。HHKBは高いから品質もいいだろう、熱狂的に薦めている人がいるから情報には困らなさそうだとか。スペックや条件について他のキーボードと比較したりする気概はありません。ですから、もしHHKBではなくても、もし他に評判がいいものがあれば乗り換えてしまうかもしれません。
こだわるべきでないもの
あえて、こだわりを持たないようにしているものもあります。
こだわりはこだわりが過ぎると、それ以外の場面で使えなくなります。道具が変わった瞬間仕事ができなくなるようなことは避けたいと思っています。キーバインドやキーボードへのこだわりはあくまでも文字を入力し文章を書き仕事を進めるためです。だからそのこだわりが悪い方向にならないようには意識はしています。
最近まで親指シフトを導入していました。QWERTY配列より効率がいいと言われている入力方式のことです。配列の工夫やキーボードの同時押しによって、入力も早く疲れにくいメリットがあります。
しかし、これをやめました。理由は2つあります。1つは、親指シフトが使えないときに不満を感じたからです。メインはMacですが、複数のPCを使う環境にあるので、自分用にカスタマイズされていない(できない)PCを使うときに入力の間違いが多くなってイライラしてしまいました。効率が悪いですし、何より間違うことによるストレスが嫌でした。
もう1つは、結局QWERTYの方が、自分の思考と文字としての出力のズレが一番少ない気がしたからです。たしかに親指シフトは効率的な入力方法です。QWERTYだとキーを2回押さないと入力できない文字も、1回押すだけで入力できたりします。配置も考えられています。でも、私にとってはそれが最も自然な入力方法とまではなりませんでした(ちなみに入力の速さはほぼ同じ)。
QWERTYは好きでもないし、こだわりもありません。一方、親指シフトは気に入っていましたが、こだわるほどではありませんでした。というか、使えない場合がある可能性も考慮すると、こだわるべきではないと考えました。
ここまで書いてみて、こだわりは効率性だけでなく気持ちよさや自然さに表れるのかもしれないなんてことを思いました。キーボードなどに限らず、みなさんのこだわりを知りたいですね。